~とある湖畔から~

脳と意思決定の研究の記録

意思決定

不確実な報酬の価値評価- 価値の期待値とドーパミン

脳は不確かな報酬を期待しすぎない ドーパミン神経が価値を計算している 不確かさに応じてドーパミン神経の活動が変わる 脳は行動・選択肢が持つ価値の期待値を計算している 脳は不確かな報酬を期待しすぎない 脳は報酬の獲得確率が低くなるほど、その価値を…

将来を期待しすぎない脳ー不確実な報酬の価値評価

不確実性により報酬の価値は低下する 主観的な報酬確率は実際より低く見積もられる 大きい価値ほど不確実性による価値割引率が大きくなる 確率価値割引は将来の成功を期待しすぎないことあらわれか 不確実性により報酬の価値は低下する 私たちの日常における…

クリスマス気分を生み出す脳ネットワーク

クリスマス気分を感じることはありますか? クリスマス気分には複数の大脳皮質領域が関わる クリスマス気分を感じることはありますか? クリスマスソングを聞いたりすると、クリスマスをどのように過ごすのかを想像したり、喜びや興奮を感じることがある方も…

価値の遅延とセロトニンの操作

遅延価値割引とセロトニンの研究 セロトニン神経活動の直接操作法 報酬獲得までの待機時間とセロトニン神経活動の操作 遅延価値割引とセロトニン神経活動の操作 セロトニンは忍耐力を促進する 遅延価値割引とセロトニンの研究 脳内物質のセロトニンが遅延価…

価値の遅延とセロトニン

報酬獲得の遅延は報酬価値を下げる 遅延価値割引に関わるセロトニン セロトニン量と遅延価値割引課題中の脳活動 報酬獲得の遅延は報酬価値を下げる 獲得するまでに遅延がある価値や損失は、即時に獲得するよりも小さく見積もられます。 これにより、将来の大…

遅延価値割引と薬物中毒、肥満、うつ病、PTSD

遅延価値割引とセルフコントロール 薬物中毒、肥満と遅延価値割引 うつ病、PTSDと遅延価値割引 遅延価値割引とセルフコントロール 遅延価値割引は、私たちのどのような行動に関連するのでしょうか? 遅延価値割引が強く現れる人は、長期的な利得を低く見積も…

すぐに獲得できないものの価値は下がるー遅延価値割引ー

報酬は予測していても嬉しい 遅延が報酬の価値を下げる 損失も遅延によって割引かれる 遅延割引と将来に向けた行動 遅延価値割引を防ぐには 報酬は予測していても嬉しい 報酬の価値を計算するドーパミン神経の活動から、獲得する報酬の価値の大きさは獲得前…

海馬リプレイは過去の回顧か未来の計画か?

概要 ラットは複数の通路から正解を選ぶ 海馬のリプレイは過去に報酬を獲得した通路を表す 海馬のリプレイは未来の通路を表すことは少ない まとめ 感想 記憶に関連する脳部位の海馬では、動物が睡眠中に過去に通った経路を繰り返すリプレイ現象が知られてい…

脳は期待値から価値を判断するー報酬強度とドーパミン神経系ー

複数の報酬が期待されるとき ドーパミン神経は主観的な価値の大きさを表す 好ましさの低い報酬期待ではドーパミン神経の活動が下がる 脳は平均的な価値を基準に価値判断する 小さな幸せに気づけない? 複数の報酬が期待されるとき 脳にとっての価値は、獲得…

脳にとっての価値は予測とのズレー報酬予測誤差と状態価値ー

ドーパミン神経活動は価値の情報処理に関係する ドーパミン神経活動は獲得した報酬の価値を単に表すわけではない ドーパミン神経は状態価値と実際の報酬価値の差分を表す ドーパミン神経活動は価値の情報処理に関係する これまでの記事の中で、報酬の予測に…

脳の価値判断ー報酬の予測とドーパミン神経系ー

価値は脳内の報酬系が関与する ドーパミン神経は報酬の予測でも活動する 予測した報酬が得られないとドーパミン神経は抑制される 報酬の予測と実際の報酬 価値は脳内の報酬系が関与する 前回は報酬を獲得するとドーパミン神経の活動が高まることを見てきまし…

脳の価値判断ー報酬とドーパミン神経系ー

価値判断と脳の報酬系 価値判断とドーパミン ドーパミン神経の活動は行動を学習・強化する 価値判断と脳の報酬系 脳が価値判断するとき、どのような情報処理がなされているのでしょうか?それを知るために、報酬を得たときの脳の活動を見る必要があります。 …

脳は比較することが好きー見え方で判断が変わるー

見え方で変わる判断 まずは、有名な実験を実際にやってみてください。 実験では、被験者に経済誌の購読(今でいうサブスク)で契約する内容について、提示されたオプションから選んでもらっています。 まずは下記の場合どちらを選びますか?? 英経済誌『エ…

意思決定は脳から逃れられないー錯視ー

脳は現実を見ていない 下図のAとBの青い縦線のうち長い方はどちらでしょうか? Aが長く見えると思います。 ですが正解は、どちらも同じ長さです。 このAの方が長く見える現象は、ミューラー・リヤー錯視と言われる有名な錯視現象です。 フランツ・カール・ミ…

私たちの意思決定とは?

日々、膨大な決断をしている 意思決定とは 意思決定と脳 意思決定の積み重ねが自分自身である 日々、膨大な決断をしている "35,000回" 調査研究によると、これは私たちが1日に行っている決断の回数だそうです(Sahakian 2013)。 また、2000人のアメリカ人…

目標指向行動と海馬

目標指向行動とは、目的や目標に向けて、試行錯誤や計画によって行われる柔軟な行動である。この目標指向行動と記憶に関連する脳部位の海馬の関連を検討した論文。 Goal-directed actions transiently depend on dorsal hippocampus. Bradfield, L.A., Leung…

習慣化と扁桃体

論文 概要 結果と考察 感想 論文 目標や成果に向けて行動や努力を継続することは重要であるが、継続することは非常に難しいことである。この困難さに打ち勝つために、習慣化が有効である。 習慣化のメリットや習慣を獲得するための方法に関する情報は溢れて…

扁桃体と環境の探索

情動反応や条件付けに関与することが知られている扁桃体が、新規空間の探索に関与することを報告した論文。 An Amygdala Circuit Mediates Experience-Dependent Momentary Arrests during Exploration. Paolo Botta, Akira Fushiki, Ana Mafalda Vicente, L…